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パターン外注の相場と、コスト優先に潜む4つのリスク

パターン外注の相場と、コスト優先に潜む4つのリスク パターンメイキング工房 – orv mode studio. (オーヴ・モードスタジオ)

パターンメイキング工房『オーヴ・モードスタジオ』代表 フリーパタンナー/モデリストのコバヤシ_トシヒコです。

オリジナルデザインのアパレルアイテムを展開する上で、パターンメイキングは欠かせない要素です。
しかし、パターンを外注する上で費用を抑えようとするあまり、外注先を選定する際に見落とされがちなリスクが存在します。

本記事では、「クオリティーリスク」「デリバリーリスク」「安全性リスク」「サステナビリティーリスク」の4つのリスクについて解説し、コスト優先の選択がもたらす可能性のある問題点を探ります。

注:この記事はあくまで「筆者はこう考えている」という意見の表明であって、読者に対して正しい答えを教えるものではありません。

パターン外注の相場

パターン外注の相場は経験や地域によって異なりますが、過去に依頼したプロジェクトの相場を参考に、適正な価格かどうかを見極める必要があります。
こちらのnoteが参考になると思います。

当方のパターン料金表はこちらのページに掲載してございます。

価格表はこちら

コスト優先に潜む4つのリスク

パターンを外注する上で費用を抑えようとするあまり、外注先を選定する際に見落とされがちな4つのリスク「クオリティーリスク」「デリバリーリスク」「安全性リスク」「サステナビリティーリスク」について解説します。

1. クオリティーリスク

最も顕著なリスクの一つが「クオリティーリスク」です。安価にパターンを外注すると、結果として品質が低下することがあります。具体的には、以下のような問題が考えられます。

デザインイメージとの相違

安価な料金のパターン作成は効率を優先するあまり、微細なディテールに注意を払わず、過去に作成したパターンの流用(使いまわし)等によって型紙を作成することが多いため、ターゲットに合わせたシルエットや着心地が実現できないことがあります。
それは結果的に、機能性という製品品質の低下に繋がります。

縫製トラブル

不正確な型紙は同寸であるべき部分が同寸ではない等、縫製不良やパターンの追加修正が発生する可能性が高く、結果的に生産コストが増大することもあります。
それは結果的に、生産性というパターン品質の低下に繋がります。

素材特性との不適合

パタンナーが素材の特性を考慮しない場合、製品の仕上がりがデザインの意図とは異なるものになるリスクもあります。
それは結果的に、審美性という製品品質の低下に繋がります。

2. デリバリーリスク

費用を抑えるために、スケジュール管理が不十分な個人や、業務量に対してキャパシティが限られている業者に依頼すると、「デリバリーリスク」が生じます。

納期遅延

安価な料金の外注先は、多くのプロジェクトを抱え過ぎている場合があり、納期が守られないことがよくあります。これにより、製品の発売日が遅れ、市場のトレンドを逃す可能性があります。
さらにひどいケースでは、そもそもパターンが納品されない場合もあります。

コミュニケーション不足

迅速なフィードバックや修正が求められる場面で、反応が遅い場合、プロジェクト全体が遅延するリスクが高まります。

短納期案件への対応を敬遠される

発注者側がコスト優先の体質と受注者側が認識している場合、受注者は短納期の案件に対応しづらくなります。
なぜなら短納期の案件に対応すると、その案件にかけた時間が短いと解釈され、それを口実に発注者から値下げ圧力をかけられる可能性を受注者は考慮しなければならなくなるからです。

3. 安全性リスク

外部にパターンを外注する際には、「安全性(セキュリティー&セーフティーリスク」も考慮する必要があります。特に、独自性が求められるデザインを扱うブランドにとって、このリスクは重大です。
業界最安値を謳うなど、低価格でのグレーディングやパターン出力の受注に積極的な業者は、パターンデータを無料で入手して他社へ流用することが本当の目的かもしれません。

知的財産の流出

信頼性の低い外注先に依頼すると、デザインやパターンが無断で流出し、模倣品が市場に出回る危険性があります。

データの不正使用

デジタルデータの取り扱いが不十分な場合、デザインが外部に漏れたり、他のクライアントと共有される可能性もあります。

4. サステナビリティーリスク

現在、ファッション業界において「サステナビリティー(継続性)リスク」は避けて通れない課題です。コスト優先の体質が与える影響を無視すると、長期的にはブランドのイメージに悪影響を及ぼす可能性があります。

労働環境の問題

コスト削減のために、劣悪な労働条件で働くスタッフを雇用している業者に依頼することもあります。これが発覚した場合、ブランドの社会的信用が失墜する可能性があります。

突然の音信不通

SNS以外に連絡手段がない等、身元が明らかではないアマチュアの個人にパターンを外注すると、突然の音信不通によってパターンが納品されないなど、品質以前の問題が発生することもあります。

アマチュアにパターンを外注するリスクに関する記事はこちら

まとめ

パターン外注においてコストは重要な要素ですが、それだけを優先すると上記のような多くのリスクが潜んでいます。上記4つのリスクを十分に理解し、慎重に外注先を選定することで、事業の成長と持続可能な運営を実現できるでしょう。

パターン外注についてのチェックリストをまとめた記事はこちら

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特に用尺出しについては、生産ロットが大きいほどパターン代が問題にならないほど量産コストに影響を与えることもあります。

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コバヤシ_トシヒコフリーランスモデリスト/メンズウェアクリエイター/ファイバーアーティスト

投稿者プロフィール

パターンメイキング工房【オーヴ・モードスタジオ】代表のフリーランスモデリスト/メンズウェアクリエイターにして、オーバーロックミシンだけで仕立て上げることで特許を取得した独自構造のシームレスウェア「#OVERSEWN」の発明者。
大阪・関西万博「TEAM EXPO 2025」プログラム/共創チャレンジへの登録を機に、ファイバーアーティストとしての活動をスタート。
「低価格で環境に優しく、全ての人が自由にデザインできる衣服の自動生産システムを2050年までに完成させる」をミッションに活動しています。

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